プロローグ

この本をてにとってくださったあなたに感謝します。

この本は、次の方々のために書きました。

営業のお仕事で悩んでいる方。
もっと自分を活かしたい方。
もっとお客様や会社に貢献したい方。
将来、大きな夢を持っている方。
本物を求めている方。

このようなことを言うと、とても力のある成功者のように思われてしまいそうですが、
私はただの凡人です。何か特別な才能がったわけではありません。
また、子供の頃から勉強ができたわけでもありません。

大学生活はそれなりに楽しんで、卒業後に大手生命保険会社に入社しました。
職種は「営業」。体力的には、学生時代に鍛えた剣道で多少の自信はあったものの、まったくゼロからスタートしました。
多くの方たちに支えられて、最終的には日本一の業績をあげることができました。
しかし、どん底状態に何度か陥り、そのときは本当に悩みながら営業をしていました。

上司からの叱責の毎日。
毎日伸びない数字とのニラメッコ。
家庭を犠牲にし、家族と話す時間もない。
年上の部下と、どうつきあってよいかわからない。
出世しても周りから冷たい目で圧力をかけられる・・・・・・。

数えたらきりがありません。

ただ、幸運だったと思えることは、私には「ある出逢い」があったことです。

よく運命は、出逢いによって変わるといわれています。
それは人であったり、ものであったり、出来事であったりさまざまです。

私は、営業で苦しんでいるときに、ある人物との出逢いがあり、その後の人生が変わりました。
その人物とは、本文でも紹介させていただきますが、弊社YSコンサルタント株式会社 会長である佐藤康行です。
彼のアドバイスのおかげで、今日の私があります。

本書の題名は「トップセールスのDNA」ですが、DNAとは遺伝子のことです。
つまり、トップセールスの遺伝子です。
本書をお読みになっている営業マンの方の中には、トップセールスマンを見ると次のような感情が湧き上がってくることもあるのではないでしょうか。

「あの人は、もともと才能があったから」
「あの人だからできるのだ。俺にはどうせ無理だ」
「いいなあ。私もあんなふうになりたいな」
「成功する人は、生まれたときから決まっている。私にはどうせ無理だ・・・・・・」

私は長年、生命保険営業の世界で多くのトップセールスマン・経営者と出逢ってきました。
また、現在では営業コンサルタントとして毎日多くのトップセールスマン・経営者と接しております。多くのトップセールスマン・経営者と出逢う中で、発見したことがあります。それは、

トップセールスのDNAは、誰にでも備わっている。みんなが持っているものだ。という事実です。

特別な人だから、トップセールスを達成できたわけではありません。
生まれつき裕福な家庭で育ったから、トップセールスが達成できたわけでもありません。
もともとトップセールスを達成する人が決まっていたわけでもありません。

ただ、成功したトップセールスマンには、ある共通点があるのです。それは、自分の中に眠っていた、トップセールスのDNAの存在に気付いたということです。「私はダメな人間だ。俺には無理だ」と思い込んでいた人が、「私もトップセールスマンになってみたい」と思い、まだ見ぬ自分の能力を発見し、結果的に「はじめはトップセールスマンなどとんでもない、ダメだと思っていたけれれど、自分のような者でも、トップセールスマンになれるんだ」と気付くのです。

つまり誰にでも、もともと備わっているトップセールスのDNAをONにした結果、トップセールスマンになれたのです。
私も保険営業で日本一となり、トップセールスマンになることができましたが、本書で述べるトップセールスのDNAとは私のことではありません。あなたの中にある無限の可能性のことなのです。ですから、私はもってお伝えします。なぜならば、私のトップセールスのではなく、あなたのトップセールスのDNAに自信があるからです。

また、本書の副題は「営業人生 DEAD★ALIVE」です。

営業と聞くと、「きつい」「泥臭い」などのイメージがあるかもしれません。また、結果が出れば収入面でも一気に豊かになる可能性がある反面、結果が出なければ淘汰されていくという厳しい現実から、できれば避けたい仕事だと思われている方もいらしゃるのではないしょうか。

事実、

死に物狂いで仕事をしていても結果が出ない
誇らしい結果を出していても、精神的にいつも窮地に追い込まれている

このような状況に苦しまれている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに営業の現場は日々、真剣勝負の連続です。
しかし、本書を読み進めていただく中であなたの中に変化が起きると私は確信しています。

「営業とは、なんと楽しい仕事なのか!」

そのようにあなたが心の底から思い、ある意味「天地がひっくり返る」ような感覚を味わっていただけるように、
私はこの営業という仕事がいかに素晴らしいものなのか、お話していきたいと思います。
そして、この営業という魅力的な仕事を通じて、もっと素晴らしい本当のあなたに気付いていただきたい、そのことで最高に素晴らしい人生を歩んでいただきたい、という切なる願いから、この副題をつけるに至りました。

あなたに質問をさせてください。

あなたは、自信を持てるものが、何かありますか?

先ほど私は、ただの凡人だったとお話しました。しかし、実は今になって思い返してみると、私がもともと恵まれていたことが一つだけあったのです。

それは、とりわけ「自信が持てるものがなかった」ということです。

「え?自信がないことが良いことなの?」と思われるかもしれませんが、自信がなかったことが、とても良い結果を生んだのです。
世間では「自信を持って。自信をもつことが大事」と言われています。ですから、「自信がないことが良い」なんて、おかしなことを言っているように聞こえるかもしれません。

ただ、下手に自信があるばかりに、自分のプライドにこだわってチャンスを逃している人が多いことも事実でしょう。
「俺はできるはずだ。私だって」と言わんばかりにせっかくのチャンスがつかめずに、人生が終わってしまう。
もし、私がはじめから営業に自信があったとしたら、今のように究極の営業スタイルである「サンタさん営業」を世の中に広めようとは思わなかったでしょう。
自信に満ちあふれていたら、私を支えてくださった方々との出逢いはあったとしても、アドバイスを素直に聞くことはできなかったと思います。ですから、営業で日本一を達成し、「サンタさん営業」を世の中に広めるなど、夢のまた夢で終わってしまったと思います。

あなたは現在、営業やお仕事に自信がありますか?
もし、自信があればそれは尊いことです。その自信を活かして進んでください。

もし、自信がないのであれば安心してください。
長い目で見ると、自信がなかった人の方が成功しやすいのです。私もそうでしたし、世の中で大成功をおさめた人物は自信がなく、コンプレックスを持っていた人が多いのです。佐藤康行も、自身のことをもともとコンプレックスの固まりだったと語っています。
ゆえに、薄皮を剥ぐように、一歩一歩止まることなく進むことができたのです。

ですから、もしあなたには自信がないと思われているのでしたら、喜んでください。

本書を少しでも有効活用していただくために、二通りの読み方をお勧めします。

①現在、営業やお仕事のお悩みを強く持たれている方は、第一章から読まれることをお勧めします。
②とにかく早くトップセールスのDNAに目覚めて、サンタさん営業というもの身につけたい方は、第三章からお読みください。

このたび、周囲の方々のご要望にぜひ応えさせていただきたいと思い、このような本を出版させていただく運びとなりました。
本書は、「サンタ営業メソッド」開発者である佐藤康行が書いた『サンタさん営業、ドロボー営業』(IGA出版)をさらに実践的に活用できることを目的としています。
実際にアドバイスを受け、それを実践することで、凡人の私でも成功できた事例をもとに究極の営業スタイルである「サンタさん営業」について書かせていただきました。
本書をお読みいただくことで、少しでも何かのお役に立つことができたとしたら、この上なき喜びです。